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段ボールの歴史について!将来の段ボール業界に期待すること

2022年2月28日

段ボールの歴史と成長について

段ボールの歴史は最初から梱包材として利用されていたわけではありません。

そのおもしろい誕生から進化の歴史まで解説します。

段ボールの歴史①「しわ付き紙~オシャレのたしなみ~」

段ボールの誕生は1856年で「しわ付き紙」が開発されたのがきっかけです。 「しわ付き紙」は、その名の通り、しわが付いている紙です。

その紙がどのような用途で使われていたかと言うとシルクハットの裏側にはめ込み、シルクハットに汗が染みつかないために利用されていました。

段ボールの起源でもある、しわ付き紙はジェントルマンのオシャレのたしなみとして利用されていたわけです。

段ボールの歴史②「しわ付き紙~包装資材へ変化~」

1871年にはオシャレのたしなみから移り変わり、包装資材として利用され始めました。

ガラス瓶や石油ランプなどの輸送用の梱包材として利用され始めたのです。

この段階で、紙にしっかりと段を付けた状態のものへと進化し、今まで緩衝材として使用していた「わら」や「おがくず」に代わる新たな緩衝材として定着しました。

段ボールの歴史③「片面段ボールへ進化」

1874年に、そのしわしわの段が伸びてしまうことを防ぐため、段の片側にライナを貼り合わせた「片面ダンボール」が開発されました。

(ライナとは真っすぐな紙のこと。また片面ダンボールのことを「片段」と略称で言われていることが多い)

片段は今でも利用されている商材です。

段ボールの歴史④「両面段ボールの誕生」

1883年には両面段ボールと言われる3層(ライナ+段+ライナ)が開発されシートの状態で利用されることが多くありました。

そして1894年にはミカン箱として、今でもよく目にする段ボールケースが誕生。(皆さんがよく目にする段ボールケースがついに誕生)

因みに段ボールの始まりはイギリスからでしたが、緩衝材、梱包資材として発展したのはアメリカです。

 そして1909年に井上貞次郎氏(レンゴー㈱創業者)が日本にダンボールを持ち込んだのが日本におけるダンボールの歴史の始まりです。

日本における段ボールの歴史について

戦前の日本では段ボールではなく木箱が梱包資材として利用されることが多かったです。

しかし、第一次世界大戦、関東大震災の発生により木材や鉄が不足することで木箱の製造が厳しくなり、新たな梱包資材の需要が高まりました。

一時は驚異的に段ボールが日本国内全体に普及されましたが、第二次世界大戦により段ボール生産設備のほとんどが消失してしまい、再び0からのスタートとなります。

この段階で段ボールが梱包資材として価格面、製造面、強度面と非常に優秀だと評価されていた為、再び日本全国に普及されるのには時間はかかりませんでした。

そして 1955年ごろにはビールをはじめとする酒類から食品関係の梱包材として大活躍します。戦後から段ボールは右肩上がりの生産量をキープすることとなります。

しかし、1973年にはオイルショックが発生し、戦後初めて前年出荷量を割ってしまう事態が発生。原材料である紙や古紙が手に入らないため、段ボール会社がやむなく製造を縮小するという事態に陥りました。

段ボールの歴史を振り返って将来に想うこと

段ボールの需要は戦後、オイルショックを省けば右肩上がりの成長業界でした。

2000年代に突入してもその勢いはとまらず常に毎年出荷量の記録を更新し続けました。

しかし、リーマンショックの際には前年を割ったが、2、3年後には再び過去最高の出荷量をキープするという見事な復活。

段ボールの生産量はGDPに連動するので日本の成長とともに成長し続けている業界だと言えるでしょう。

しかし、将来の日本を考えると少子高齢化、人口減少は段ボールの将来に大きなマイナス要素のイメージを目に焼き付けます。

ここ数年、通販業界の成長により段ボールの需要はキープされているが、分野別でみていくと明らかに減少傾向が見受けられます。

段ボールにおいて全体の半分近くシェアを保つ食品関係は今後の人口減少に連動して需要縮小が確実なので、段ボール業界の将来は暗いものだと印象付けられます。

しかし、段ボールも進化しており、梱包資材だけでなく家具や什器など幅広い可能性を見出しつつあるので、今後の進化に期待しますよね。

段ボールの歴史と段ボールの将来に想うことのまとめ

今回は、段ボールの歴史から段ボールの将来について解説しましたが、最初は全く違う使用用途から現在の梱包資材として進化した商材だと言えるでしょう。

段ボールは日本のGDPと共に成長し続けていたが、少子高齢化社会、人口減少に突入していることから今後の成長は見込めないでしょう。

つまり、将来的に段ボールは進化しないと未来がないわけです。近年では、段ボールの家具や什器が誕生していたり、その利用される範囲が広がっています。

段ボールの今後の進化に注目したいですよね。

 

段ボールの材質情報などはこちらがおススメ!!

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