段ボールパレットの強度や耐久性は安心?段ボールパレットについて解説します
私たちの生活を支える物流業界でなくてはならないものの一つとしてパレットが挙げられます。
パレットは多くの荷物をたくさん効率よく運ぶために必要なものです。
近年、そのパレットの素材を段ボールに切り替えることについて注目されています。
その要因としてはSDGsなど環境面への配慮が一番の理由でしょう。
その背景を踏まえると段ボール素材で作られた段ボールパレットが今後、普及されていくことに期待できます。
しかし、その反面、段ボールは紙だから強度や耐久性が心配であったり、本当に安いのかどうかが気になるところです。
それでは今回、段ボールパレットについて説明した上、一番ネックとなる強度面や耐久性、そしてコスト面の考え方について解説します。
段ボールパレットについて
段ボールパレットとは、そのままの意味合いで、段ボール素材で作られたパレットです。
使用用途としては、荷物を載せて物流の効率性を高めたり、荷物を保存する際の管理のしやすさなど、物流部門で欠かせないツールの一つでしょう。
通常の段ボールパレットの仕様としては、天板+桁材+底板の大きく3つの部材で構成されています。
簡易な形状ではあるが、荷物をまとめて載せることを踏まえると、それなりの強度が必要となります。
それでは、段ボールパレット以外にも様々な種類があるので簡単に触れておきます。
樹脂パレットについて
樹脂パレットは、強度、耐久性、コスト面に優れたパレットです。
特に耐久性が高いため長い期間使用される環境では好んで樹脂パレットを使用される傾向にあります。
また衛生面でも高い評価があるため食品や飲料業界の工場で好んで使用されます。
処分や環境面さえ気にしなければ、非常に優れたパレットです。
近年、輸出をする際に、樹脂パレットを受け入れないという国もあるため、デメリット部分が浮き彫りになってきました。
木製パレットについて
木製パレットは樹脂パレット同様に強度、耐久性、コスト面に優れたパレットです。
補足すると耐久性においては樹脂パレットが◎だとすれば、木製は〇と言うニュアンスの評価です。
それは雨や衝撃に対して若干弱い部分があり、掛けたり割れたりする可能性があります。
またカビが生えたり、虫が湧く可能性を考えると衛生面では少し不安が残るでしょう。
木製パレットは寸法の融通性が利き、調達のしやすさをメリットとしていましたが、木材が調達しにくい状況などに陥ると手に入らないこともあるため、注意が必要です。
金属パレット
金属パレットは、金属ならではの強度が一番のメリットでしょう。
素材としては鋼鉄やアルミ材がメインとなりますが、調達のし辛さやコスト面がデメリットとなります。
段ボールパレットの強度、耐久性、コスト面について
物流面で欠かせないパレットに大切なことは荷物を効率よく管理することだけでなく、強度や耐久面ももちろん大切です。
段ボールパレットの強度と耐久面について考え方を解説します。
段ボールパレットの強度について
段ボールパレットは意外と強度を持たすことができ、例えば1m角のパレットに対して1m角の荷物を載せた場合、1t程度であれば問題なく耐えます。
その判例として輸出用のパレットとして段ボールパレットを使用されることも増えているので、その安全性の考えた方も高まってきています。
そして注意する点としては段ボールパレットに載せる荷物の荷重に対して、強度を持たす部分は段ボールパレットの桁材部分となります。
(桁材=段ボールパレットの脚です。)
段ボールパレットの桁材以外に強度が集中すると段ボールパレットは壊れてしまいます。
つまり、荷物を載せた際に、すべての荷重は段ボールパレットの桁材にかかるような積載方法に限定されます。
段ボールパレットの耐久性について
段ボールパレットはあくまで紙素材なので、水に弱く、繰り返し使用する環境に弱いというのがデメリットとなります。
仮に水に少しでも強くしたい場合は、耐水性の高い素材を利用する。
また少しでも繰り返し使用したい場合は、強度が強い素材を利用するという方法がありますが、その分コストが高くなることが懸念点です。
あくまで紙素材なので、この耐久性については期待はできなさそうです。
段ボールパレットのコスト面について
段ボールパレットは紙素材なので樹脂パレットや木製パレットよりも安いだろうと言う印象を持たれがちですが、実はあまり安くありません。
印象としては木製パレット並みと言うのが相場となります。下手をすると木製パレットよりも高いこともあるでしょう。
その原因は紙と言う樹脂や木よりも弱い材質に対して、それなりの強度を持たすために加工に一手間もたすことが起因していることがうかがえます。
段ボールパレットの将来性について
段ボールパレットは意外と強度を持たすことができるが、耐久性やコスト面に不安があることがわかりました。
そうなるとメリットが多い樹脂パレットや木製パレットに勝つことができないことが目に見えています。
しかし、近年、環境配慮の観点が注目されているため、処分のしやすさや環境的かどうかが判断基準となってきています。
段ボールパレットは99%のリサイクル率を誇る段ボール素材がメインであり、すごく環境的です。
今後、環境配慮を考える企業や国が段ボールパレットに注目することは間違いないでしょう。
まとめ
今回、段ボールパレットについて詳しく解説しました。
段ボールパレットは、強度面は仕様によって十分役立つパレットだと言えますが、耐久面やコスト面を踏まえると、まだまだ樹脂パレットや木製パレットに勝てません。
しかし、SDGsの流れ、環境配慮の流れを踏まえると、段ボールパレットが活躍していく日も近いだろうと強く感じました。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。