段ボール製品の値上げが本格化!今までにない危機感【2022年2月】
2022年1月末から2月初旬にかけて段ボール業界に激震が走りました。
それは段ボール製品専業メーカーのトーモクとダイナパックが先行して値上げ活動の旗を上げたからです。
従来は製紙一貫メーカーのレンゴー、王子、大王が先行することが多かったのに対して異例の事態だと言えるでしょう。
そして、それに伴って中小の段ボールメーカーが追随して今にも動き出すと言う状況が予想できます。
歴史的に見ても今までにない動きゆえに、それだけ今回の値上げは深刻なものだろうと推測できます。
今回は、ついにダンボール製品の値上げが本格化したことに加え、今までにない業界の動きが見られるので詳しく解説します。
段ボール製品の値上げが本格化!従来の動きや今回の動きを分析
ついに段ボール製品の値上げにて具体的期日と上げ幅を開示する企業が現れました。
それがダンボール製品の専業トップメーカーが先行したと言うことが今までにない動きとなります。
段ボール業界の値上げは、従来、大手の製紙一貫メーカーのレンゴー、王子、大王が主導で動くことが多かったです。
それは、やはり業界のシェアを大きく持っていたと言う点、そして何より製紙部門を持っていたことが大きいでしょう。
製紙部門を持つと言うことは段ボール業界で言う川上の部分を押さえることになるので強い理由がわかります。
◆販路のルートまとめ
〇製紙一貫メーカーの販路(レンゴー、王子、大王)
段ボール製紙一貫メーカー ⇒ エンドユーザー
〇専業メーカーの販路(トーモク、ダイナパックなど)
段ボール製紙 ⇒ コルゲートメーカー(専業メーカー) ⇒ エンドユーザー
〇ボックスメーカーの販路(中小段ボールメーカー)
段ボール製紙 ⇒ コルゲートメーカー(専業メーカー) ⇒ ボックスメーカー ⇒ エンドユーザー
それぞれエンドユーザーまでの距離が違い、得意な分野なども変わってきます。(また解説します。)
何が今までにない動きなのか
「販路のルートまとめ」で記載した専業メーカーは段ボール製紙メーカーから原紙を購入する側となります。
つまり、専業メーカーは段ボール製紙メーカーが「原紙を値上げする」と言っても拒否する側、つまりエンドユーザーと同じ立場になります。
特に段ボール製品における業界3番手となるトーモクは段ボール原紙値上げの歯止めとなる役割を買ってでていたのが今までの流れです。
今回の値上げに関しては、そのトーモクなど専業メーカー大手が値上げを一番に買ってでました。
それだけ今回の値上げに関してやらざるを得ない厳しい理由があることが伺えるでしょう。
段ボール製品の値上げの発端は原紙の値上げの話から始まりました。しかし、フタを開けてみると他にもこんなものが挙がっていました。
副資材
環境設備対応費
原燃料
物流コスト
人件費など
特に世界的に原燃料価格の急騰が悪さをしている印象があります。
これが日本の全製造業のコストを押し上げ、全体的な値上げにつながっているわけです。
段ボール製品専業トップメーカーの動き
2月初旬にトーモクが3/21の出荷分から値上げ、ダイナパックが4/1出荷分から値上げを打ち出しました。
値上げ幅の参考として
シートは10円/㎡以上
段ボール製品は18%以上
段ボール業界全体的な動き
トーモク、ダイナパックに続いて大手3社、中小企業、ボックスメーカーがあとを追うことは間違いないでしょう。
段ボール製品の値上げ幅は同等で、期日は3~5月あたりの出荷分からとなり、業界全体的には6月ないし7月には完結させたい気持ちだと予想します。
段ボール製品の値上げがついに本格化!今までにない危機感【2022年2月】
今回は段ボール製品の値上げについて新しい情報をお伝えしました。
状況のご説明だけとなりますが、今までにない動きなので、より深刻な値上げではないかと捉えられます。
まだまだ世界的な経済もそうですが日本経済も不安な状況が続きます。
段ボール製品の値上げは逃げられない状況だと推測できます。
今回の記事が参考になれば幸いです。